「ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」を実機レビュー。バランスの取れたフリップタイプ

当サイトは Google Adsense、Amazon アソシエイト等 アフィリエイト広告を利用して収益を得ています.

今回の記事では、ASUSが2023年5月中旬に国内投入を発表したKompanio 520を搭載した14インチモデル「ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」の実機レビューをお届けします。なお、今回はレビューにあたりデモ機を貸し出していただきました。

「ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」は、今年(2023年)のCES 2023で発表されたばかりで、MediaTekの新しいKompanio 520というプロセッサを搭載したスタンダードなChromebookです。本体収納式USIペンを備えたコンバーチブルタイプ、MIL-STD 810Hに準拠した堅牢性などが主な特長です。

ASUS
¥69,800 (2023/05/31 11:26時点 | Amazon調べ)

なお、ペンとタッチ操作に非対応のクラムシェルタイプ「ASUS Chromebook CM14」というモデルも同時に発売されていますが性能面ではほぼ変わりありません。そのため、「CM14 Flip」とどちらを選ぶかはペンとタッチ操作の有無、予算となります。

目次

スペック

まずは国内で販売されている「ASUS Chromebook CM14 Flip(CM1402F)」のスペックです。これは今回レビューしている実機と同様のスペックです。

CM14 Flip
ディスプレイ14インチ
1920×1080
グレア
タッチ対応
CPUKompanio 520
RAM8GB LPDDR4X
内部ストレージ64GB eMMC
外部ストレージmicroSD
ポートUSB-C ×2
USB-A ×1
Audio Jack
ネットワークWi-Fi 6
Bluetooth 5.1
Webカメラ92万画素
バッテリー最大12.1時間
その他本体収納式USIペン
MIL−STD 810H
ASUS独自抗菌機能
サイズ324.6×226.7×20.8mm
重さ1.56kg
価格69,800円

14インチ フルHDディスプレイ搭載のコンバーチブルタイプ、本体収納式USIペン、Kompanio 520 と 8GB RAM、64GB eMMCストレージ、2つのUSB-Cポートと1つのAポート、Wi-Fi 6/BT5.1サポート、最大12時間のバッテリー駆動にMIL-STD 810H準拠の堅牢性…とバランスの取れているスタンダードなChromebookと言えます。

ただ、14インチ コンバーチブルタイプの割に重さが1.56kgあるという点が少し悩ましいところ。許容範囲ではありますが、持ち運びの頻度が高いユーザーとしてはもう少し軽いほうが嬉しかったですね。

デザイン

本体は樹脂素材だと思いますが、堅牢性を重視しているだけあってしっかりとしています。天板や底面部分のたわみ、ヒンジの軟さなどは特に気になりません。

天板側はツルッとしたさわり心地ですが指紋は目立ちにくいです。底面には手に掴んだときに滑り止めの役割になる加工が入っており、大きさと重さのわりにつかみやすく持ちやすくなっています。

ポート と ペン

本体の左側面にはUSB-C と Aポート、イヤホンジャック、microSDカードスロットがあります。右側面にはUSB-Cポートとスタイラスペンを収納するスロットがあります。

HDMIポートやEthernetはありませんが、左右に一つずつCポートがあることは1つのAポートが搭載されていますのでChromebookとしてはスタンダードといえます。

ペンは収納すると自動的に充電され、収納した状態でペンの頭を押すと引き出しやすいようにポップアップするタイプに変更されています。

ペンはUSI (Universal Stylus Inisiative) 2.0規格となっていて、ペアリングの必要はなくさっと取り出して筆記を始めることができます。また同じUSI 2.0規格のペンであれば他のペンでもペアリングなしで使うことができますので、出先では本体内蔵ペン、落ち着いて作業できる環境では別のUSIペンという使い方も可能です。

キーボード と トラックパッド

まずキーボードは日本語配列となっていて、最近のASUSのノートパソコンの例に漏れず、Backspace と ¥マークが同じ枠内に配置されており隣接しています。

エンターはそれなりの大きさが確保されていますのでそこまで不満はありませんでしたが、Backspace に関してはやはり誤入力が多々ありました。とはいえ、幸いにもBackspace キーのサイズは他の記号キーと同じサイズになっているので、慣れてくれば何とかなります。

しかしエンターやペースの左右も含め、せっかく日本語配列をつくるのであればこのあたりをもう少し使いやすくしてくれればありがたいですね。

キーの打鍵感は少し反発感が強めで、軽いタッチで入力するというよりもちゃんと押して入力する感じです。キーそのものは少し樹脂の感じが強めですがチープというほどではありません。ちなみにキーボードのバックライトは非搭載です。

また、エルゴリフトヒンジを搭載しているため、天板をある程度まで開くとキーボード側が持ち上がり、傾斜がつくことで文字入力がしやすくなります。

タッチパッドは十分なサイズと反応で悪くありません。押し込んだときの音が少し大きい感じもしますが、タップ操作でクリックや右クリック(2本指)を使うことができるのでそこまで問題ではないと思います。

ディスプレイ

ディスプレイは14インチ、広視野角のフルHD(1920×1080)、グレアパネルを搭載しています。色味は少し薄く感じますが、写真や画像編集を本格的に行うわけでなければ特に問題はないと思います。

にじみやぼやけることもありませんし、ブラウジングやコミュニケーション、文章やスライド作成などの用途であれば十分なレベルです。

本製品はタッチパネルとペンにも対応したコンバーチブルタイプなので、タブレットのように使ったり、ノートやイラストなど手書きをするときにも使うことができます。

ただ、14インチというサイズと1.54kgというサイズでタブレットとして手持ちで利用するには少々辛いですね。ですので、卓上で他社に見せるときや、手書きをするときに角度をつけたい場合などに活用することになると思います。

ちなみにWebカメラにはプライバシーシャッターが搭載されています。

使用感

ここ数日の使用では、ブラウジングやブログの執筆とそれに伴う作業、Android アプリのAdobe Lightroomを使った簡単な写真編集といったことを行っています。

使った印象で言えば、Kompanio 520 は想像していたよりもスムーズな動作感で、Linuxアプリや重たいサービスのマルチタスクなどを行わなければ十分快適に使用できます。これは筆者も驚きでした。ただ、スプレッドシートなどでセルが多いものやグラフが複数あるもの、Lightroomでは読み込みや書き出し、エフェクトの反映までに少し時間はかかります。

しかし思っていたよりも快適に動くため、普段使いやビジネス、学校などでもクラウドベースの作業が中心であれば十分だと思います。

参考までにインテル第12世代Core 5、Snapdragon 7c、Celeron N4020と比較した、実機による各種ベンチマークスコアを掲載しておきます。

8GB RAMということもあるかもしれませんが、ベンチマークの結果ではSnapdragon 7c Gen 1 とほぼ同等のスコアとなっています。PCMARKとGeekbenchはAndroidアプリを利用していますので、Snapdragonとの相性の問題などがあるかもしれません。ちなみにバッテリー駆動時と電源接続時でスコアに差はほとんどありませんので安心して使えます。

スコアが即ち実際の使用感に結びつくことは多くありませんが、今回に限っていえばこの数値に体感としては近かったと思います。価格的にも同じような立ち位置ですので、エントリークラスのCeleronでは物足りないけど、予算は抑えめにしてもう少し性能が欲しいと思っているユーザーには良い選択肢になると思います。

バッテリー駆動時間に関してもかなり優秀です。例えば筆者が画面の明るさは約70%、Chromeのメモリセーバーなどはオフにした状態で、今回のレビュー記事の作成や調べものなどブラウザベースの作業を中心にして1時間あたりで大体10%〜12%のバッテリー消費でした。

公称値ほどの長さはありませんが、基本的なブラウザベースの作業を中心にして8〜10時間近く持つ可能性があります。ハイエンドに比べてできることは限られますが、軽めの作業を中心にここまでバッテリーがもてば十分だと思います。

一方、性能面でデメリットを挙げるとすれば、あくまでエントリー〜スタンダードクラスの性能でしかないこと、指紋センサなどの機能がないこと、そして外部モニタへの出力が1920×1080までに限られているという点です。

外部モニタ出力は、2560×1440まで出力できたSnapdragon 7cには負けますので、既存のモニターを利用する場合には注意が必要です(筆者はフルHDモニターを使わなくなったのでポータブルモニターで代用)。

価格

最後に価格についてですが、「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402F)」のペン内蔵モデルは69,800円となっています。

性能としては、MediaTek kompanio 520はCeleron N4020よりも性能が上でSnapdragon 7cに近い性能を持っています。CPUと価格で見ると、Celeron搭載モデルは5万円以下が多く、Snapdragon 7cは7万円台が多くなっています。Kompanio 520を搭載した「Flip CM14」はペン付きでSnapdragon 7cよりもわずかに安価ですので、国内価格として見れば一般的な価格設定だと思います。

まとめ

今回は「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402F)」の実機レビューをお届けしました。正直、想像していたよりもKompanio 520の性能は良かったという印象です。

「ASUS Chromebook CM14 Flip (CM1402F)」は、14インチで約1.56kgと少し重たいけれど持ち運びも許容範囲、本体収納式ペン付きで性能もまずまずとバランスが取れているため、選択肢として十分ありだと思います。

価格についても途中で触れたようにSnapdragon 7c よりわずかに手頃で、性能と価格、本体収納式USIペンとコンバーチブルタイプという点がハマれば検討する価値は間違いなくあり、筆者としてはオススメできる1台です。

ASUS
¥69,800 (2023/05/31 11:26時点 | Amazon調べ)

一方、ペンもタッチもいらないという人は、クラムシェルタイプの「CM1402C」を検討することもおすすめです。こちらは同じKompanio 520と8GBRAMを搭載しており、価格は5万円を切るためさらに手頃です。

ASUS
¥49,800 (2023/05/31 14:19時点 | Amazon調べ)
  • URLをコピーしました!

著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

目次