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「富士通 FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」の実機レビュー。完成度も高く、日本語配列でもコレならアリ

4.5
review-fujitsu-fmv-chromebook-14f-wm1-f3-00Chromebookレビュー

2021年11月16日、国内メーカー初のコンシューマー向けChromebookとして富士通から「FMV Chromebook WM1/F3」と「FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」のリリースが発表されました。

これまでNECやシャープなどが国内メーカーとしてChromebookを販売していますが、どちらも文教・法人向けとして一般販売はしておらず、過去にはToshibaがChromebookを一般販売していましたが、これは海外のみに展開されています。

富士通が日本で一般販売されるChromebookの最初の国内メーカーとなったわけですが、公式サイトを見る限りこのモデルはしっかりと作られている印象で、期待できる1台だと思います。

ということで今回は、メーカーより「富士通 FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」の実機をお借りする機会を得ましたので、国内初のコンシューマー向けChromebookの使い勝手がどうなのか、レビューしていきたいと思います。

スペックと販売構成

すでに発表時点でスペックの紹介はしていますが、ここで改めてまとめておきます。

ディスプレイ14インチ 広視野角 TFT
1,920 × 1,080
ノングレア
タッチ対応/非対応モデルあり
CPUCeleron 6305
Core i3-1115G4
RAM4GB
8GB
内部ストレージ64GB eMMC
128GB PCIe
外部ストレージmicroSD
ポートUSB-C ×2
USB-A ×2
HDMI ×1
ケンジントンロック
イヤホンジャック
ネットワークWi-Fi 6 ax
Bluetooth 5.1
WebカメラHD Web(0.9MP)
バッテリー最大10時間
その他日本語配列キーボード
サイズ323.8×216×19.9mm
重さ1.29kg
自動更新ポリシー2029年6月

今回発表されたモデルには「FMV Chromebook WM1/F3」と「FMV Chromebook 14F」の2種類があるように見えますが、実際はタッチスクリーンの有無やCPU、RAM、ストレージの種類の違いによるだけで、外装を含めて基本的には共通したモデルです。

CPUには、インテル第11世代のCore i3-1115G5かCeleron 6305を採用、最大8GBRAMと最大128GB NVMe SSDを搭載してスタンダードなChromebookですが必要に応じてハイエンドクラスの性能を選択することもできるという点が特長です。

現在、Amazon限定モデルなどを含めて販売される構成を先に紹介しておきます。

このうち、上3つの「FMV Chromebook WM1/F3」は公式ストアの”富士通 WEB MART”とAmazon限定で販売されていますが、最上位の「FMV Chromebook 14F」は公式ストアのみとなっています。

そして今回レビューしているモデルは「FMV Chromebook 14F」なので、Core i3-1115G4/8GBRAM/128GB SSDを搭載する最上位モデルということになります。

実機レビュー

実機の使用感について、ポイント別に紹介していきます。

ディスプレイ

まずディスプレイですが、14インチに広視野角のノングレア、フルHDを採用し、今回のモデルはタッチ操作に対応しています。

ノングレアですが色味や明るさもしっかりとしていて、広視野角なので角度を変えても見やすいため問題は感じず、日常使いから授業、仕事でも十分対応できるモデルです。

タッチ操作にもしっかりと反応するため操作はしやすいですが、クラムシェルタイプなので使い道は限定的かもしれません。

あえて気になった点を言うなら、上下のベゼルがやや広めなことやディスプレイとフレームに段差があるのでタッチ操作するときに気になるというところでしたが、実用上に特に影響があるわけではありません。

キーボード

おそらく「富士通 FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」の最も特長的なところは、しっかりと考えられているキーボードだと思います。

公式サイトに書かれているように、コンパクトな筐体でもキーピッチが約19mm、キーストロークは約1.7mm、快適な文字入力のためカーソルキーを1段下げる、キー列を間違えないように液晶側に向かい傾斜させている、キートップをわずかに凹形状にすることで指にフィットしやすくさせる、軽いタッチでも入力抜けがないように高レスポンスキーを採用など、かなり気合が入っています。

また2段階押下圧を採用し、エリアごとにキーの重さを2段階に設定しているという点が、これまでのChromebookにはないものです。

小指と親指を中心に軽いキーが採用され、それ以外の指でタイピングする部分が重たく(といっても一般的なChromebookと変わらない感じ)なっているため、タイピングは快適です。

英語配列好きも納得のキーボード

ここは少々余談ですが。普段から英語配列キーボードを使っている身としては正直、日本語配列キーボードを使うと正直辛いことがあります。

実際に触るまでは日本語配列か…と思っていましたが、使ってみると「FMV Chromebook 14F」に関してはほぼそれがありませんでした。

というのも、キートップの刻印やキーの形状こそ違いますが、各キーの位置そのものは英語配列と大きく変わっていないからです。

Brydge C-Typeとの比較

これまでの日本語配列Chromebookはスペースキーはそのままで左右のAltが小さくなって英数・かなが配置されてしまうため、英語配列の感覚でAltをおそうとすると英数・かなを入力してしまいストレスでした。

しかし「FMV Chromebook」はスペースを短くしてその左右に英数・かなを配置しているため、Altの位置は英語配列モデルと変わっておらず、英数・かなの誤入力が減ります。

反対にスペースキーと間違えて英数・かなを入力することはありますが、基本的に位置は変わっていないので、スペースを押すとき中心で押すように少し気をつけるだけで問題はありません。

またエンターキーも幅広に取られているため、英語配列の感覚で押しても間違って”]”が入力されることはありません。そもそもキーピッチやサイズなどしっかりと確保されているおかげもあります 。

普段から英語配列を使っている私でも抵抗なく日本語配列を使うことができたので(キー入力位置が違うけど)、それだけでも「FMV Chromebook 14F」の価値はあると思います。

個人的には、「FMV Chromebook 14F」だったら日本語でも買いたいと思わせる出来ですので、普段から日本語配列キーボードを使っている人なら、かなり気にいるんじゃないかと思います。

ただ、キーボードにバックライトが搭載されていない点だけは残念でした。

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外観

では外観をチェックしていきます。

天板部分はカラフルなChromebookのロゴと、中央ではなく左下にFMVのロゴが配置されています。

パッと見た感じでは高級感がありますが、触ってみるとややプラスチックっぽさを感じることと、天板部分の剛性が少し柔らかい(むしろ天板が重い?)のか、ヒンジが硬いせいなのか、タッチ操作でツンツンすると地味に揺れます。

ただ、「Acer Chromebook R13」のようフニャフニャしているわけではないので、強めにタッチする人は注意するくらいでしょうか。

それとヒンジ部分についてですが、ここにはゴムが装着されていて、天板を90度以上になるとキーボード側が持ち上がり、キーボード面に傾斜がつきます。

これによって文字入力がしやすい角度になりますし、エアフローもよくなって熱を逃しやすくなります。

ちなみに嬉しいことに、コンバーチブルでも最大180度まで開くタイプでもありませんが、かなりの角度まで天板を開くことができます。これのおかげで低い机の上や座った状態で膝上でChromebookを開くときに見やすい角度に調整しやすいです。

熱を逃しやすいと言えば、「富士通 FMV Chromebook 14F」は排気口がキーボードのヒンジ側に取り付けられているようです。

これによって膝上で作業していても排熱は問題ないですし、何より蒸れなくていいのが助かります。

ちなみにヒンジはしっかりしているので、片手で天板を開くことはできません。

ポート

ポート類はUSB-CとAが左右に1つずつ、右側にはmicroSDカードスロットとケンジントンロック、イヤホンジャック、左側にはHDMIポートまで搭載されていてコンシューマー向けChromebookとしては充実したポートになっています。

CとAが2つずつに加えてHDMIまであるモデルはかなり限られているので、周辺機器やモニタとの接続を重視するユーザーには良いモデルです。

実際の使用感

この数日間、自宅だけでなく様々な場所に持ち出して使ってみましたが、とにかく使い勝手が良く、オススメできるChromebookです。

14インチというサイズながら、重さはわずか1.29kg(実測で1,286g)と軽量モデルのため持ち運びに苦労はしませんし、性能も十分、バッテリーも使い方次第では6〜7時間近く持つため、家でも外でも同じデバイスを使いたい人にはオススメの1台だと思います。

バッテリー駆動時間についてですが、明るさ80%程度でブラウザベースの作業(Google WorkspaceやWordpressとか)を行って、1時間あたり15%のバッテリー消費でした。AndroidアプリやLinuxアプリを使った場合はもう少し短くなると思いますが、クラウドベースであれば学校や仕事でも半日〜1日は問題なくに使うことができます。

また性能についてですが、今回レビューしている「FMV Chromebook 14F」に搭載されているインテル第11世代のCore i3-1115G4はとてもパワフルで、実際に使ってみても第10世代 Core i5を搭載するChromebookなどと比べても劣らないほどの快適さがあります。

一応、各種ベンチマークの測定結果を紹介しておきます。

Geekbench(Single)1,167
Geekbench(Multi)2,349
Octane57,793
JetStream2149.845
Speedometer182

お馴染みの4種類のベンチマークを測定しましたが、どのスコアもCore i5-10210Uを搭載したAcer Chromebook Spin 713よりも高く、Geekbenchのマルチコアを除きCore i7-10510Uを搭載する「HP Chromebook x360 13c」より高い結果となりました。

実際にそう感じるわけなので、おそらく第11世代のCoreプロセッサを搭載するChromebookであれば、意図的に上位を選択することがなければ、Core i3モデルでも十分過ぎるほどハイスペックだと思います。

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ただし、ハイエンドではなくスタンダードでハイスペック

ちょっと変な言い方をしてしまいますが、私の中では「富士通 FMV Chromebook 14F」はプレミアムな雰囲気を持つスタンダードなChromebookであって、高機能・高性能なハイエンドモデルではないと思っています。

というのも、例えば「HP Chromebook x360 13c」や「ASUS Chromebook Flip C436FA」、「Lenovo C13 Yoga Chromebook」、「Acer Chromebook Spin 713」などのハイエンドモデルは、生体認証やUSIペンサポート、金属製ボディ、ディスプレイ、MILスペックなど特長的な何かを搭載している傾向にあって、値段も高くなっています。

一方で「FMV Chromebook 14F」は、スタンダードでもハイスペック寄りのCeleron 6305や最上位モデルではハイスペックなCore i3-1115G7を選択できるわけですが、モノそのものはスタンダードなモデルのままなので、例え最上位モデルでもハイエンドデバイスではないと思います。

とくに最上位「FMV Chromebook 14F」は82,280円(税込)と高価なモデルですので、ハイエンドモデルとして購入すると機能面を含めて物足りなさを感じてしまう可能性があります。

しかしスタンダードなChromebookとして考え、Celeronモデルでも十分だけどもう少し良い性能のモデルが欲しいと思って最上位モデル「FMV Chromebook 14F」を選ぶのであれば、決して悪い選択肢ではないと思います。

何よりCPU性能(ベンチマーク結果)だけで見れば、「FMV Chromebook 14F」以上の価格のモデルをも上回る結果になっていますし、キーボードの作り込みなどに魅力を見出しているなら、損することはありません。

が、やっぱり最上位モデルには指紋センサとかがついてたらイチオシどころかフタオシくらいできたのでそのあたりが勿体なかったかな…。

価格とオススメモデルについて

最後に価格について触れておきますが、タッチ非対応のベースモデルがAmazonにて49,800円、富士通WEB MARTの最上位モデルが82,280円となっています。

税込価格
タッチ非対応 Celeron 4GB/64GB49,800円
タッチ対応 Celeron 4GB/64GB54,800円
Core i3/4GB/64GB64,800円
Core i3/8GB/128GB NVMe82,280円

うまい具合に分かれているのでポイントだけまとめておきますと、以下の3つが選ぶポイントになると思います。

  • タッチ操作が必要か?
  • 予算を抑えたいか?
  • できるだけハイスペックが良いか?

まず「富士通 FMV Chromebook 14F」はクラムシェルタイプ(天板がクルッとならない)のChromebookなので、タッチ操作がどこまで必要かが大事なポイントです。

もし必要なくてスペックもハイスペックでなくても良ければ(Celeronでも十分な性能なので)、非タッチのベースモデルがオススメです。タッチ操作が必要で予算的な問題があるなら、タッチ対応のベースモデルが良いと思います。

予算を抑えつつ少しでもハイスペックなタッチ操作モデルがほしければ、Core i3/4GB/64GBモデルですが、他社製品にはコンバーチブルタイプやUSIペンをサポートする同価格帯のモデルが多数あるため、どうせなら最上位の「FMV Chromebook 14F(8GBRAM/128GB)」に行くべきだと思います。

予算や好みにもよるので気になったモデルを購入すれば良いわけですが、競合製品や「FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」の性能から考えると、個人的には非タッチのベースモデルか最上位モデルのどちらかを選ぶことをオススメします。

まとめ

ということで今回は、「富士通 FMV Chromebook 14F(WM1/F3)」の実機レビューでした。

このChromebookは、さすが日本メーカーが日本ユーザーのために作ったというだけあって扱いやすく、家や職場に置いて使うのも、持ち運んで外で使うのも、授業でも仕事でも、どれでも使い勝手の良いChromebookです。

一方で、クラムシェルタイプであることやスタンダードでハイスペックなモデルであることから、機能面ではハイエンドモデルには負けてしまいます。しかし性能では劣っているわけではありませんので、その辺のバランスも含めて検討してみると良いと思います。

細かいことはさておき、私としては日本語配列だけど「FMV Chromebook 14F」のキーボードがとにかく気に入ってしまいましたので、日本語配列に抵抗がない人や日本語配列が良いという人は、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

ほんと、このモデルはすごく良いと思う。