「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」の実機レビュー。 Wear OS搭載スマートウォッチ

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中国のMobvoiがリリースしている「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」は、Googleのウェアラブルデバイス向けOSのWear OS by Googleで動作するスマートウォッチです。

「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」の特長は、2層ディスプレイ技術によりバッテリー駆動時間が最長72時間のスマートモードや45日の省電力モードを搭載、20以上の運動測定、GPSやアクティビティトラッキング、スピーカーとマイク内蔵でAndroidスマートフォンと接続していれば音声通話も可能といったものがあります。もちろんGoogleアシスタントも搭載しており、スマートウォッチ対応のアプリをGoogle Playストアからインストール可能なため、Googleサービスを利用しているユーザーなら使う幅が広がるデバイスとなっています。

今回は実機を提供いただく機会を得ましたので、「Mobvoi TicWatch Pro 3 Ultra GPS」を実機レビューしていきます。ちなみに当サイトではこれがWearOS搭載デバイス初のレビューです。

目次

実機レビュー

まずは「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」の基本仕様をざっとまとめておきます。

  • Google Wear OS
  • 1.4インチ AMOLED ディスプレイ(454×454 / 326ppi)
  • Snapdragon 4100 / Mobvoi Dual Processor System
  • 1GBRAM / 8GB内蔵ストレージ
  • Bluetooth 5.0、Wi-Fi 802.11 b/g/n
  • GPS+GLONASS+ガリレオ+北斗+みちびき(QZSS)
  • 577mAhバッテリー、専用磁気式充電器
  • NFC(Google Pay)対応
  • IP68防水、MIL-STD 810G
  • 47×48×12.3mm / 41g
  • バンド幅 22mm

健康管理のための測定機能は、24時間の心拍数、血中酸素濃度測定対応、各種アクティビティ・スポーツ計測、疲労計測といったものがあります。もちろんスマートフォンの通知を表示させることもでき、筆者の環境では通知内容も文字化けのない日本語で表示されるため、わざわざスマホで2度確認する必要もなく便利です。

デザイン

本体は米軍規格MIL-STD 810Gに準拠しているため、かなりしっかりとした作りになっていると感じます。その分ややゴツく重たい印象はありますが、サイズと見た目の割に重すぎないため、長時間装着していてもそこまで気になりません。

ディスプレイの周囲を囲うように0〜55の数字が描かれ、画面がアナログ針表示でも時間の確認がしやすくなっています。デジタル表示だとなくても良いのですが。

正しい向きで見た場合、本体の左側面にはマイクとスピーカー、右側面にはボタンが2つあります。

右側面のボタンの上側は、ホームに戻るやインストール済みのアプリを開くためのもので、下側にあるボタンは動作のカスタマイズが可能になっています。「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」にインストールされているアプリや機能を割り当てることができるため、よく使うアプリや機能を設定しておくと良いでしょう。

本体の底面は、充電コネクタ部分と各種センサがあります。センサ部分の厚みはそこまでなく、強くバンドを絞めない限りは手首に痕が残ったりはしづらいと思います。

充電時には上記画像のようにマグネットで裏面にくっつけて充電します。反対はUSB-Aコネクタになっていますので、PCやAポート充電器を利用することで簡単に充電することができます。ただ高速充電に対応しておらず、20%以下の状態から満充電までに1時間以上はかかるため、ここがちょっと残念なポイントです。

ちなみにバンドについて、付属のバンドはシリコン製でサラッとしたさわり心地で装着感は悪くなく、汗をかいたり水がかかっても安心です。装着したままプールに入ったり水泳はできますが、シャワーやお風呂などは推奨されていないため注意が必要です。

また、バンドはプッシュピン使って本体に取り付けられているため、同じ方式を採用した22mm幅のバンドであれば簡単に交換が可能となっています。もし付属のバンドで満足できなかったり交換が必要になっても気軽に替えられるのは良い点です。

使用感

この2週間ほど実際に使ってみたところ良かったと感じた点は、予想していたよりもバッテリーが持つことでした。WearOSはバッテリーが持たないという傾向が昔からあったことも知っていますし、少し前まで「Apple Watch」を利用していたこともあり、「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」も1日(20〜24時間)くらいバッテリーが持てば御の字と思っていました。しかし筆者の使い方であれば、満充電の状態から2日目の終わり頃(大体40時間程度)までバッテリー切れになることはありませんでした。

  • 23:30 → 100%
  • (1日目) 08:30 → 88%
  • (1日目) 23:30 → 63%
  • (2日目) 09:30 → 53%
  • (2日目) 20:30 → 37%

使い方としては、睡眠モニタリング、心拍測定、1日50〜60件の通知を受けて朝・昼とアラームを鳴らす、40〜60分ほどのウォーキングでGPS&運動測定、Googleアシスタントを使って自宅のGoogle Home操作や天気予報、交通情報の確認といった感じです。ただし、23:00-7:30はおやすみモードを有効にして、”傾けてディスプレイをオン”をオフにしています。

スマホと同じタイミングで毎日充電するという行為に慣れていたので1日持つだけでもそこまで問題視するつもりはありませんが、2日(以上)のバッテリー駆動時間は嬉しい誤算でした。

ちなみに約1時間のウォーキングで、スマホ接続なし、GPS&心拍測定ありの状態でおよそ5%のバッテリー消費でした。ここに音楽再生などが加わればもう少し消費すると思いますので、使用状況次第の参考としてください。

動作に関しては、一番最初のセットアップ時に少し重たい印象を受けましたが、アップデート等の影響によるものだったようでそれ以降はスムーズに操作できています。スクロールの滑らかさやタップの反応、インストールアプリの起動などに特に不満はありません。Googleマップなどを使うと起動時やマップ描画でわずかに間が空きますが、遅いとまで感じるレベルではないため十分だと思います。

またスクリーンも大きめなので操作性も悪くありませんが、さすがに文字盤に表示されるキーボード操作は辛いです。なのでGoogle アシスタントを含めて音声入力を活用すれば問題はありません。

スポーツやアクティビティ、心拍等の測定機能に関しては、医療機器でもなくあくまでも個人の健康管理機能なのでも、普及しているスマートウォッチとしては一般的な性能だと思います。

ただ、測定された結果を見ると「Apple Watch」や「Fitbit」の測定結果に比べてちょっとだけ甘いような印象です(カロリー消費量や歩数測定など)。これには測定方法の違いなども関わってくるので何とも言えませんが、正確に測定できているかと言われたら微妙な感じです。とは言え、普段から健康を意識させるために歩数やら運動量やらをとりあえず気にしておきたい人には十分過ぎるレベルです。

アプリ

基本的にはWear OSアプリを使って管理することになるため、Mobvoiの独自アプリでできることは限られています。ただ、「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」のデフォルトのアクティビティや睡眠測定の内容確認はMobvoiアプリ経由(Google Fitと微妙に数値が違う)になるため、必要に応じてインストールするほうが良いでしょう。

文字盤のデザインについては、デフォルトでインストールされているもの以外に有料・無料のものが多々あります。この点については「mobvoi」アプリだけでなくサードパーティの文字盤アプリなども利用できるので、Apple Watchや独自OSのスマートウォッチなどに比べて自由度は高いと思います。

とは言え、結局のところGoogleのWear OSですので、筆者の場合はGoogle Fitアプリに集約して使ってしまっています。

惜しい点

使っていて惜しいと感じたところですが、直前までApple Watchを使っていたこともあり、例えばスマホのおやすみモードとの連携や時間帯によるディスプレイ点灯の自動オン・オフなど細かな調整ができないといった点でしょうか。ただ、これらはWear OSの問題に起因するものでもあるため「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」のせいとは言えないところがあります。

機種としては、Google Payに対応しているけどFelica(お財布ケータイ)に対応していないため公共交通機関利用時や買い物でちと不便に感じること、通知を受けたときのバイブレーションが弱めで強弱の変更もできないことの2つが特に惜しい感じました。

Felica非対応については使い方次第で気にならないと思いますが、バイブレーションについては移動中などに通知があっても気づけない(ウォッチの着信音で気づく)ため、この点は改善してくれるとありがたいですね。

まとめ

ということで、今回は「TicWatch Pro 3 Ultra GPS」の実機レビューでした。

スマートウォッチとして基本的な機能に加えてWear OSならではの柔軟性があり、バッテリー駆動時間も割と長めですのでAndroidスマートフォンを利用している人なら検討する価値はあると思います。運動や健康管理目的だけでなく、スマートウォッチで通話や返信などの操作、Googleアシスタントを活用したい人にも良いデバイスです。

ただ、Felica非対応のため日常で支払いなどにも使いたい場合には少々不便があるかもしれませんので、生活圏や目的と合うのであればぜひ検討してみてください。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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